マルチポテンシャライトって聞き慣れない言葉ですよね。
日本ではまだ馴染みが薄く初めて紹介されてからまだ数年しかたっていません。
ですが、海外ではかなり認知が進んでいる特性のことです。
今回この特性のことを4年前に初めて知り、救われた経験があることから、このことをご紹介していきたいと思います。
多趣味と言われることへの違和感
さたぼー(仮)さん、って多趣味なんですね!?
私はこんな風に言われることがよくあります。
確かに、いろんなスキルに興味を抱いてハマり、それなりに結果を出すと自分の中で終息していき、次に夢中になることを探す…みたいな状態をずっと繰り返してきました。
教師の仕事に就いてからも、PC(MS-Dos,Mac)、カメラ、音楽(バンド活動)、野球(指導者として東北大会出場)、剣道(三段二刀流10年)、スキー(インストラクター)、車、映画、オーディオ、考古学、資料編纂委員、とにかく興味を持ったことはとことん突き詰めなければならない性分でお金もそれなりに投資してきました…。
そして上のような言葉をかけられると、何か気まずい気持ちになったものです。
別に自慢しているわけではなかったのに…。
多趣味と言われるとそれまでなんですが、なんかその言葉の裏側に嫌味というか悪意を勝手に感じてしまうというネガティブ志向の塊だったのです。
どうして自分は飽きっぽいのだろう?
いつも、そんなことを思いながら、多趣味という言葉への違和感を感じていました。
そんな時、このマルチ・ポテンシャライトという概念と出会ったのでした。
マルチ・ポテンシャライトを定義すると
一言でいえば、
飽きっぽい(日本流)= 複数のスキルを掛け合わせる達人(海外)
のことです。
日本は一つのことを時間をかけて経験を積んだ人を評価優遇する社会です。
一つの仕事を長く続けられない人のことは、「飽きっぽい」「忍耐力がない」といって大きく評価してこない雰囲気を持っています。
決して組織の中で重用されることはなく、その時その時都合よく使い捨てられることもあるように感じます。
一方、海外では複数のスキルを持ち合わせている人が新しい価値を生み出す人材として、今見直されてきています。
世界中がコロナ禍を経験し、働き方が多様化しデジタルスキルが評価される時代になってきました。特にマルチ・ポテンシャライトの特性を持つ人はこのデジタルスキルとの親和性が高く、新しい価値を創造していく可能性を秘めています。
マルチポテンシャライトな特性を持つ人たちがようやく活躍できる雰囲気ができてきたのかなーと思っています。
マルチポテンシャライトは専門家?
よくマルチポテンシャライトを説明すると、
そんなにたくさんの専門領域を全部極められるわけがない。中途半端なスキルじゃないの?
といわれることがあります。
でも良く考えてみましょう!
例えば私はギターをするのですが、極めている専門家の頂点はプロギタリストです。
逆に最も広いすそ野にいる人たちは初心者の愛好者ということになるわけです。
そしてこの間には、ちょっとしたコード弾きだけの自称「ギターが弾ける」という人から、ジャズの即興演奏を初見で弾ける人まで幅広い経験者がいるわけです。
マルチポテンシャライトはその中でも、いい塩梅でギターが弾ける人、もっと頑張れば即興でも何でもできる素地はあるが、そこまで時間をかけるなら、違うスキルを伸ばしたいと考えている人と思ってもらうと良いのではないでしょうか。
そうすれば、一つ一つのスキル感が分かってくるかと思います。
素人ではないが、プロでもない。
でも、素人とプロを繋ぐ役割ができる人。
それがマルチポテンシャライトかと思います。
Webデザイナーになって感じるマルチ・ポテンシャライトの強み
では、この特性をWeb制作の分野で当てはめてみるとどうなるでしょうか?
わたしは確実に大きな強みになると考えています。
Webデザイナーは、文字通りホームページをつくれる人のことを指しますが、その適用範囲は広くまさにピンキリ状態です。
例えば、エンジニア寄りでバリバリにコードを書ける人から、デザインに特化している人まで多種多様に存在しています。
仮に私をその中に当てはめてみると、そこそこデザイン、普通にコーディング、といったところでしょうか。
具体的には、超絶バリバリのエンジニアではないが、Wordpressによるコーディングでオリジナルテーマでゼロからデザインとコーディングするスキルは持っている。
でも、クライアント(情報発信者)の顔が見える範囲で仕事がしたいので、できるだけノーコードで発信者も扱えるように制作し、運用をレクチャーしてホームページを身近なものにしたいと考えていることです。
ですので、技術に重きを置いた仕事よりは、クライアントとの橋渡しをする仕事が性に合っているのかもしれません。
その方がクライアントの課題を的確に捉えて、自分のこれまでの経験やマルチ・ポテンシャライトな特性の引き出しを活用して適切な解を導き出していけると思っています。
他方、お客様の立場になって考えると、制作会社に依頼するととてもクォリティの高いホームページができる可能性が高いかと思います。
なぜなら、大きな制作会社は分業制が確立しており、文章作成からデザインとコーディングまで非常に高品質なプロダクツを制作するノウハウに長けているからです。
しかし、その分関わるスタッフも多くなり、時間とコストが大幅にアップすることになります。
このような本も刊行され、Web業界の実態が今は理解されうようになってきましたが、逆に依頼者を混乱させることにもなっています。
この本、もちろん読んだのですが、確かにそーだなーと思うことがたくさんあります。
私自身、制作会社さんからお仕事をいただき、コーディングで関わらせていただくこともあるので、何ともいえないのですが、サイト制作ってものすごく労力がいるんです。
そして、その状況を知らない人に限って、「サクッとつくればやすくなるんじゃ?」とか適当なことをいうわけです。
実際、大きなプロジェクトで予算が潤沢な事業者であれば、これだけお金をかけてもそれに見合ったリターンは得られると思います。
しかし、新規事業を立ち上げたばかりだったり、そんなにお金はかけられないけど、ホームページは持っていたい、今は名刺代わりにも必要と思う人たちもいるわけです。
マルチ・ポテンシャライトなフリーランスWebデザイナーの強みは、そういったニーズにしっかり応えていけるわけで、その中でも自分であれば、他業種で培ったライティングや写真の技術も提供できるというわけです。
最後に
いろいろな仕事や趣味を経験して、今ようやくそれらを総合的に活かせるスキルにたどり着いた気がしています。
それがWebデザインという仕事であり、お客様の課題や困りごとをWebで解決するということに巡り合うことができました。
きっと、自分以外にも飽きっぽいとか仕事が続かないとか悩んでいる人がたくさんいるかと思います。
ぜひ、このマルチ・ポテンシャライトの特性を知り、自信を持って欲しいと思います。
連絡をくだされば、お互いに情報を共有していくことも可能です。
一人で悩まず、まずはご一報ください。